臨床工学技士は介護施設・訪問看護ステーションに必要なのか?
国家資格である臨床工学技士を皆様ご存知でしょうか?
臨床工学技士は、簡単に言えば、病院にある医療機器のスペシャリストです。
年々ハイテク化する医療機器の保守点検・操作などを行い、現代の医療に不可欠な医療従事者です。
臨床工学技士については、日本臨床工学技士会で詳しく書かれていますので、気になる方は
こちらからどうぞ → 日本臨床工学技士
日本には、約30,000人の臨床工学技士が病院等で勤務をされています。
病院では、主に透析室、心臓カテーテル室、手術室、機器管理室等で働いている方が多いと思います。
その活躍は病院のみならず、在宅医療の分野へも少しずつ広がってきています。
私は、2017年に病院を辞め6年ほど臨床を離れており、現在は当社の訪問看護ステーションの一員として活動しています。
介護施設・在宅での臨床工学技士の必要性
病院では、さまざまは場面で臨床工学技士が活躍しています。メカに強く、手先も器用な方が多いため雑務も結構引き受けている方も多いと思います。
では、早速ですが、介護施設や訪問看護ステーションなどの在宅分野で、臨床工学技士の必要性があるのかというと、
ある。と思っています。
介護施設や在宅で療養や治療を行う場合に、多職種の連携が必須となります。
この連携は、その分野の専門スタッフが意見を出し合い、一人の利用者さんへ最善最良の提案をします。
在宅は、医師が訪問診療、看護師が訪問看護、PT・OTが訪問リハビリ、ケアマネジャーがケアプラン作成を行なったりと多職種で連携を図っています。
その中で臨床工学技士は、医療機器の知識に特化した提案が可能です。
利用者さんの中には、在宅血液透析(HDD)、在宅人工呼吸療法、シリンジポンプ、輸液ポンプ、などの医療機器を付けている利用者さんもいらっしゃいます。
在宅血液透析(引用:日本在宅血液透析学会)
在宅人工呼吸療法 (引用:環境再生保全機構)
その操作や管理に携われる医療従事者がいれば在宅療養の質がさらに高くなることが期待されます。さらには、機器の操作や管理の相談が24時間気軽に相談できることが大きなメリットだと思います。
病院で医療機器が装着されており、自宅に帰りたいけど帰ることにご不安に感じる方が多いかと思います。
当社、訪問看護ステーションの理念である「自分らしく最期まで生き抜くこと」にあるようにご自宅で自分らしく生活できるよう、全力で支援しています。
医療機器が装着されていても、医療機器のプロフェッショナルが対応致します。
ただ、現時点では訪問看護で臨床工学技士がサービスを提供しても介護保険による報酬や加算が取得できないため有料サービスもしくは無償での対応となります。その部分に関しては今後の法の改正に期待をしています。